アクセスや滞在時間、コンバージョン(問い合わせや売上げなどの成果)にいたるまで、自分のウェブページがどの程度の効果を持っているのか知っていますか?
どこを改善していくといいのかハッキリと言えますか?
少なからず集客や売上げに効果を発揮しているということは分かっても、では数値的にどうなのか、データではどうなのかを明確に答えられる人は実は多くありません。
でもこの辺をしっかりと把握していないと、ウェブページの適切な改善ができませんし、売上げも当然伸び悩みんでしまいます。
逆に好調な場合も、どこが良かったのかをしっかりとデータとして蓄積していないと、次もまた、好調になるような奇跡を待つしかありません。
一方、さまざまな企業で、ウェブ解析ができる人材が求められています。
ウェブ解析士という資格は年々認知度が広まり、サイト制作が出来てさらにウェブ解析士の資格を持っていたり、ネットショップ運営ができてさらにウェブ解析士の資格を持っていたりと、プラスアルファのスキルは就職、転職でとても有利になります。
ウェブ解析は、ご存知Googleアナリティクスなどのサイト分析ツールがとても役にたちますが、無料のくせにかなりハイクオリティです。
とっつきにくい用語もたくさんでてきて、一般的には半分以上理解できていません。
コンバージョンって何?
ページビューとアクセス数は同じ?
リファラ、ノーリファラって何?
今回は、そんな専門的な資格もあるウェブ解析について、第一歩目となる基本的な用語の説明をしたいと思います。
これでGoogleアナリティクスにも少しは対応できるようになるはずです。
また、ウェブ解析士について、興味があったらぜひ取得を考えてもいいですね。
ウェブ解析とは
ウェブ解析とは、実はウェブページに限らず、事業全体の成果を最適化するために解析を行うことを言います。
事業全体の成果を最適化するために、ウェブページのデータを活用して、PDCA (検証結果) を繰り返します。
ウェブ解析を身につけることで、データから事業の改善点、事業全体の成果を最適化するための正しい判断ができるようになります。
ウェブ解析で行うこと
通常ウェブページでは、コンバージョンを高めることを目的としています。
コンバージョンの意味は後ほど説明しますが、簡単に説明するすると、問い合わせの数や、販売数などのアクションをしてもらった数です。
ウェブ解析では、そのコンバージョンを最適化することはもちろん、事業全体の成果アップ・最適化のために、データを見つめ、サイト動向、特徴、傾向、欠点、利点を数値やグラフなどデータ化してとらえます。
ウェブ担当者の経験や勘も重要ですが、それをデータ化することを目的としています。
ウェブ解析の方法
ウェブ解析と聞いて一番有名なのが、Googleアナリティクスという無料のウェブページ解析ツールを使ったデータ分析です。
解析を行いたいサイトに専用のタグを埋め込むことで、Googleアナリティクスでウェブサイトの各種データを確認することができます。
このGoogleアナリティクスからダウンロードできるデータを使用して、必要な形(グラフや表や数値のピックアップ)にしてウェブサイトの状況を解析します。
たとえば、あるウェブサイトでは、なかなか問い合わせに結びついていないという状況がありました。データを見てみると、やはりアクセスはあっても、コンバージョン(問い合わせという成果)が低いという現状が見えてきました。
そこで、そのウェブサイトの課題は「コンバージョン率を上げること」という事になります。
でも・・・、そもそもどうやってコンバージョン率を上げればいいのでしょうか。
ウェブ解析の正しい知識があれば、課題を見つけるだけではなく、具体的にどこの数値を高めればいいのかが見えてきます。
具体的には
- ページの構成が悪い
- ページの内容に説得力がない
- 問い合わせボタンが目立っていない
- 問い合わせを行うためのハードルが高すぎる
- 問い合わせフォームが細かすぎて面倒だと思われている
たとえばですが、上記のような課題が見えてきます。
どうですか?
ウェブ解析、少しは興味がでてきたのではないでしょうか。
ウェブ解析の知識は、あなたのウェブサイトの課題を探し、そして改善点をデータとして客観的に見ることができるのです。
ウェブ解析で使う専門用語
ここからは、ウェブ解析で使う専門用語について説明したいと思います。ウェブ解析では、たくさんのカタカナや英語が並び、余計に難しく感じられます。逆に言うと、ウェブ解析を理解して専門用語なんかをサラっと言ったりできちゃうと、一気にコイツ出来る感が出てきますよ!
ウェブ解析で使う主要な用語
ページビュー (PV)
ウェブページが見られた時にカウントされる数。一人の人が3ページに渡りサイトを開くとページビューは3となります。似たものに、ヒット数、訪問数、ユニークユーザー数(アクセス人数)がありますが、ウェブ解析ではこれらは分けて用いられます。
訪問数 (セッション数)
一人の人がウェブページに流入してきてから離脱するまでを訪問数1(セッション数1)と数えます。訪問数をカウントする場合には、一定時間を空けた場合には離脱したとみなされ、新たに訪問した場合には、新たに訪問数1とカウントされます。
一般的には、訪問数をカウントする一定時間を30分としており、30分間アクションがない場合には離脱とみなされます。また、30分以内なら再び戻ってきた場合には、同一訪問とみなされます。
セッション
上記のセッションが分かればすぐに分かると思いますが、セッションとは、訪問者がウェブサイトに訪れてから離脱するまでの一連の行動のことを言います。
繰り返しになりますが、30分間つぎのアクションがなければセッションは切れます。
また、セッションは日付をまたぐと切れる事も付け加えておきます。
ユニークユーザー数/アクセス人数 (UU)
ユニークユーザーとは、一定期間内にウェブページを訪れた人の数を表します。一定期間とは、1日、1週間、1ヶ月など特に決まりはありませんが、特定した期間にウェブページに訪れた人数をカウントする時にはよく使われる単位です。
Aさん ・・・1回訪問
Bさん ・・・3回訪問
Cさん ・・・2回訪問
上記のような場合、ユニークユーザー数は3となります。
一方、PV数は6となります。
参照元
参照元とメディア
言葉の感じで大体の予想はつくと思いますが、参照元とは、ウェブサイトを訪れた際に、どんなウェブサイトから訪れたのかを指します。
この時にGoogleでキーワードを入力した場合には、Googleアナリティクスでは一般的に「google/organic」と表示されます。
同じくyahooキーワード検索の場合には、「yahoo/organic」と表示されます。
それじゃorganicって何ってことに当然なります。yahooは参照元のウェブサイト名ですが、/の後のorganicとはメディアの種類(タイプ)を表しています。
Googleアナリティクスの参照元のタイトル欄には「参照元/メディア」と書かれていると思いますが、メディアの種類は他にもいくつかあるのでご紹介しておきます。
参照元メディアの種類
- organic … 検索
- refferal … リンクを踏んだ流入
- display … ディスプレイ広告
- cpc … リスティング広告
- cpm … ディスプレイ・バナー広告
- none … 種類不明
リファラとノーリファラ
参照元のことをリファラ(リファラー)と言うこともあります。リファラとは、アクセスログの一つで、ウェブサイトにアクセスした時に使ったアクセス元サイトの情報の事を言います。
ノーリファラとは、リファラ(参照元)が不明な場合を言います。つまり、どこからアクセスしてきたのか分からない場合にノーリファラとなります。
ノーリファラになるには具体的にどのような場合かというと、いくつかのパターンが考えられます。
ノーリファラになる主なパターン
- SSL対応サイトからのアクセス
- ブックマーク(お気に入り)からのアクセス
- メールやメルマガからのアクセス
- URLを直接入力した場合
- スマートフォンアプリからのアクセス
- リダイレクトによるアクセス
- ユーザー設定されている場合
なお、たとえばメールやメルマガからのアクセスが必ずしもノーリファラになるという事ではありません。
メールやメルマガからのアクセスでも、UTMパラメータというキーワードのようなものをURLの後ろに付与して、アクセスを計測する事ができます。
滞在時間
これも文字の感じから大体分かると思います。どのくらい滞在していたのかを表します。
計測する対象は1ページごとに行われます。
コンバージョン
コンバージョンとは、直訳すると変換とか転換という意味になります。ウェブサイトにおいては最終的な成果に達した数を指しています。
ウェブサイトにより、最終的な成果という概念は異なり、ECサイトで言えばコンバージョンとは購入を指し、別のウェブサイトでは、問い合わせ数かもしれませんし、また別のウェブサイトでは申し込み数かもしれません。
通常ウェブサイトは、最終的な成果を求めて存在するため、このコンバージョンの数を追う事と同等になります。
コンバージョン率
コンバージョン率とは、ウェブサイトにきたアクセスに対して、コンバージョンに至った割合を表しています。
もっと分かりやすく言うと、例えばECサイトの場合では、ウェブサイトに来た人の中でどのくらいの割合の人が商品を買ったのかを表す数字です。
また、広告においてのコンバージョン率とは、クリックした人の割合を表します。広告では直接的にお金(広告費)が発生しますので、コンバージョン率を把握し、広告を出稿した場所やターゲット、画像、キーワード等が最適だったのかを検証します。
コンバージョン自体もそうですが、ウェブサイトによって最終的な成果は違います。
資料請求を目的とするウェブサイトがあれば、無料サンプルや、無料講座の申し込みを目的とするウェブサイトもありますし、ECサイトでは、商品の購入がコンバージョンと同等という場合もあります。
一方で、最終的な成果が数字としてすぐに出せるものばかりではなく、たとえば、ブランドの紹介サイトや会社概要サイトなど、事業全体でウェブサイトの効果を検証する場合もあります。
このようなウェブサイトの場合には、コンバージョン率が出ない場合もあります。
離脱率
離脱とは
離脱とは、あるページで閲覧を終えたことを言います。
間違えてはいけないのは、ほかのページに移ったのではなく、サイトの外に出てしまったことを表しています。
ブラウザを閉じてしまったか、ほかのサイトに移ってしまったときに、離脱数1とカウントされます。
復習ですが、ページを見たままパソコンから離れてしまったりして、30分間経過してしまった場合には、セッションが切れてしまったとカウントされます。
この状態も離脱数1となります。
同様に日にちをまたいでしまったとき。この場合も離脱数1となります。
離脱率とは
セッションの中で離脱した数の割合を表します。
離脱率の計算式は次のようになります。
離脱率 = 離脱数 ÷ セッション
通常、離脱率は出来る限り減らすようにページ編集されます。
途中で読むのを辞めてしまった訪問者は、出来る限り減らす努力をするべきです。
しかし、ウェブ解析のように、サイト全体、事業全体を見たときには、離脱率が大きいからといって、イコール駄目なページだと言うことができない場合もあります。
たとえば、たくさんの人がブックマークしているサイトのトップページの場合には、離脱率が多い場合もあります。
離脱率が多い原因としては、ブックマークからサイトを見にきたけど、特に更新していなかったのですぐにブラウザを閉じてしまった。
というような場合です。
もちろん更新を頻繁に行っていれば、次のページへ繋がる可能性のあるアクセスでしたが、このような場合には、離脱率の高さはそれほど問題だとは言えません。
いかがでしたか?
ウェブ解析士とは、ただデータ分析ができればいいという訳ではなく、事業全体での売り上げ最大化を目指して、そのためにデータを読むことができることが求められます。
Googleアナリティクスのデータを使いこなし、とりあえずは自分のサイトを評価してみましょう。
そして、それができれば、もう手の届くところにウェブ解析士という資格も見えてくるはずです。
今回はウェブ解析で使う、基本的な専門用語についてお話しさせて頂きました。
今後、ウェブ解析士についての、さらに入り込んだ専門用語や、資格対策についてもお話しできればと思います。
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